気ままに読書

読みたい本を気ままに読んでいくスタイル

天才はあきらめた/山里亮太 リアルな芸人の姿が見れる


本日、5月26日、北海道の気温がすごいことになってますね。

佐呂間町39°超みたいです!

観測史上最大とのことで・・・

ここ数年は毎年、観測史上最大規模の天候が多いですね。

南海トラフ地震も2019年に起きると言われていますし。

地震に関しては毎日のように予言者現れるので何とも言えませんが笑

 

ということで余談はさておき、

『天才はあきらめた』読みました!

僕はお笑いとか割と好きなんですが

山里のツッコミというか頭の回転はすごいですよね。

そんな人物のエッセイ?が気になり

タイトルも気になり

という感じです。

 

あらすじ

本書は5章に分けられており

山ちゃんの芸人になる前の第一章からはじまり、

NSC時代のコンビ解散、しずちゃんとの出会い。

それからM-1での成功と挫折。

地獄のような努力ゆえのカッコ悪い姿もさらけ出した

お笑い芸人のリアルな世界が見えるエッセイ本。

 f:id:saka007:20190526200256j:plain

山里亮太という人物

1977年千葉生まれ。

漫才コンビ南海キャンディーズ」のツッコミ担当。

通称、山ちゃん。関西大学文学部卒。

在学中に吉本興業のタレント養成所NSC22期生となる。

04年、ABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞。

2014年M-1準優勝。

今や数々のレギュラー番組とMCを務める。

独特な言い回しのツッコミが特徴? な実力派MC。

  

感想

「天才はあきらめた」の前に

「天才になりたい」を2006年に出版しているらしく、

およそ12年を経て大幅に加筆修正したらしい。

僕は前作は読んでいません。

 

M-1準優勝から2年後に出しているので

おそらく挫折中に書いたものかと思いますが

それから12年でだいぶ売れっ子芸人になって

考え方とかも変わったんでしょうか。

あきらめたとありますが不貞腐れてとかそういうのではなく

あきらめたということでハードルを低くして

天才と言わせる作戦じゃないかなと思います笑

若林も似たようなことを言っていますが・・・。

 

僕の山ちゃんのイメージは

南海キャンディーズのツッコミの人で

気持ち悪いキャラでやっているけど

頭の回転が速くて面白い人でした。

 

本書を読んでからは

少しイメージが変わりました。

良いイメージ

努力の天才

切れ切れのツッコミってこうして生まれたんだなぁと

感慨深いものを感じた。

母親が素晴らしい

山ちゃんのことをどんなことがあっても肯定してくれる

親バカとも言えるけど良い母親だと思った。

芸人でも緊張する

お笑い芸人ってあまり緊張するイメージないですが

実は緊張とかしてるんだなぁとか親近感が湧きました。

でも確かにM-1は緊張感伝わります。

悪いイメージ

相方に対する態度

元相方に対する仕打ちが酷くて

ガンジーでも助走をつけてぶん殴るレベル。

実際、自転車を投げつけられるくらいに

切れられて解散する。

相方への嫌がらせ

しずちゃんに対しての嫌がらせも

なかなか酷いです。やり方も汚いです。

意外と天狗

読めば分かると思いますが

というか相方への態度とかで分かりますが

意外と天狗になりやすいんだなと思いました。

良く言えば自信があることなので

芸能界という戦場を生き抜くには必要なことかもしれません。

 

自分のエッセイ本なのに

自分の株が下がるようなことを平然と?書いてのけるのは

さすがだなと、芸人魂を感じます。

たぶん、人にもよると思いますが、

これを読むと山ちゃんのこと嫌いになる人もでるんじゃないかな笑

僕はプラマイゼロくらいです。

人間、誰しも失敗から学ぶ生き物なので、

今が良ければいいのかなと思います。

 

最後に・・・

努力は誰にでもできるようで

実はなかなか難しいと思います。

人は目先の欲求にはなかなか勝てません。

僕も良く努力しようと意気込むんですが

3日坊主どころか1回で終わることが度々あります・・・。

それを山ちゃんは人から言われた罵倒や

他人への嫉妬を原動力として変えることができるのは

ホントにすごいことだと思います。

自分なりのモチベーションの保ち方って

僕はまだいまいちわからなく、

そもそも飽きっぽい性格なので

すぐに気持ちが無くなってしまいます。

小説も最後まで読まずに終わることが(・・;)

あっ、虐殺器官、読まないと。

 

 

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ハーモニー/伊藤計劃 絶対的な平和はユートピアになるのか?

『ハーモニー』<harmony/>は2008年に単行本として刊行された

伊藤計劃の第二長編SF小説。

その一年半前に『虐殺器官』で小説家デビュー。

本作はその『虐殺器官』の続編のような展開を見せている。

SFが読みたい!2010年版』で第1位。

第40回星雲賞日本長編部門および第30回日本SF大賞受賞作品。

 

しかし、これらの賞を作者が直接受け取ることは無く、

闘病生活の末に亡くなられた。

2007年にデビューして僅か2年で若くして亡くなった

夭折の天才作家として知られる。

 

あらすじ

21世紀後半、〈大災禍〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、

人類は大規模な福利厚生社会を築き上げた。

医療分子の発達で病気がほぼ無くなり、

誰もが互いのことを気遣い、親密に”しなければならない”ユートピア

その優しさと倫理が真綿で首を絞めるかのような世界に

3人の少女は餓死することを選択した・・・。

それから13年後、自殺に失敗した少女は

世界を襲う大混乱の陰に、唯一死んだはずの友人の影をみる。

これは人類の最終局面、ユートピアの臨界点に立たされた人間の物語。

 

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ハーモニーの当事者が主観で書き記した小説?

この小説は架空の言語である

【Emotion-in-Text Markup Language:version=1.2】

略称etml1.2を使って書かれている小説。

ハーモニーを未読の方はなんのこと?と思うだろうが

このetml1.2という言語によって小説内に

感情や言葉の意味等を所々に補足してある。

僕は何の知識もないままにこの小説を読んだので

こういう手法で書くのかくらいにしか思っていなかった。

 

しかし、最後まで読むと

どうやらこの小説で起きた出来事を

その当事者がetml1.2を使用して記述したという設定らしい。

何故、etml1.2を使用する必要があるのかについては

ネタバレとなるので省略。

 

僕は特に英語が得意ではなかったので

その都度調べながら読み進めていたのですが

伊藤計劃の小説は〔英語・カタカナ〕が多い・・・。

スマホ片手に読むことを推奨します笑

 

 

感想。以下ネタバレあり。

 時系列的にみると『虐殺器官』の方を先に読むべきでしたが

個人的には『ハーモニー』のあらすじにすごく興味が湧き

あまり迷うこともなく『ハーモニー』から読みました。

どうやらこの2つの作品は繋がってはいるようですが

ストーリーには直接的に関係しているわけでもなく

どちらから読んでも大丈夫なようです。

 

物語は〈大災禍〉という第三次世界大戦的な

核戦争からの教訓で人類が健康第一という思考となった。

医療も大幅に進化して医療分子というナノレベルの

人工物Watch Meを血液に入れることで常に体内を監視することが

可能となり、病気や生活習慣病といったものが

ほとんど無くなった世界。

そしてこの世界における大人になるということは

Watch Meを体内に入れ

生府の合意員となり

生府のサーバーとオンラインになって繋がる

ということ。

 

生府とは

大災禍の後に生まれた医療合意共同体。医療サーバーを介して市民へ医薬品を提供したり生府参加員達のセッションを行う場として働いている。国籍や地理的な制限が無く1つの生府に世界中の人間が参加しており、逆に同じ国籍でも所属する生府が違うことが多い。一方で旧来の政府は縮小しており、治安維持など統治機構としての最低限の役割を担っている。❝ Wikipedia参照

 

一見、健康に生活できる平和な世界のように見られるが

過剰な程の健康思考により

酒やたばこといった嗜好品は禁止されているし

食事にしても全てが管理されていて

少しでも健康に悪いことをすれば

体内のWatch Meが異常と捉えるため

隠れて嗜好品を嗜むことはほとんど不可能な世界。

Watch Me を入れた人間は生府によって管理されているため

全てが健康的な標準体型。

 

過剰な善意により管理された世界の価値観

この世界の価値観は善意に満ちている。

我らの世代は、お互いが慈しみ、支え合い、ハーモニーを奏でるのが

オトナだと教えられて育ってきたから。 本書p21参照

他人に優しくするように、お互いが気遣いあって生活する社会。

もちろん、現代社会にも気遣いはあるし大事なことだと

教えられているだろうけどもこの社会ではそれの

価値観というか感覚が異なる。

人の命は公共的身体であり、

それに対する攻撃等は許されることはない。

なのでいじめなんて存在しない。

それくらいに人の命が徹底的に管理されており、

世界の空気は優しさという善意に溢れかえっている。

 

優しさに息詰まる世界に徒名す日を夢見る狂犬

〈declaration:anger〉

〈「わたしたちはどん底を知らない。

どん底を知らずに生きて行けるよう、

すべてがお膳立てされている」〉

〈/declaration〉

ミァハの口癖だった。p15参照

この物語にでてくるキーパーソンであるミァハの言葉。

ミァハは読書家で物知りであるが故に

世界を斜に構えてみているのかとも思ったが

実はミァハは壮絶な過去、闇を抱えており

それを知るとこの言葉の重みが分かる。

そしてミァハという少女はこの世界に息詰まり

2人の友人と共に自殺を図る。

 

しかし、友人二人は自殺未遂で終わり、死んだのはミァハのみ・・・。

 

それから物語は大人になったところまで進み

Watch Me を悪用され脳の意識を司る分野に

直接何かをすることで自殺を強制させてしまうという

末恐ろしいテロが起こる。

 

意識とは何か?

現代の脳科学がどこまで進歩しているのか良く分からないが

ここでは意識というか意思というものについて

会議のようなものと例えている。

 人間の意思というものはひとつではなく

多種多様な欲求が脳の中で主張し合って調整し決断、結論を出す。

そしてその欲求というものは

人間にとって双極的な価値判断を有している。

双極的な価値とは簡単にグラフにすると

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こんな感じで価値というのが目先のもの程大きく見えることである。

せっかちな人は特にこの傾向があり

我慢強いとされている人はやや緩やかな曲線を描く。

ちなみに動物何かも本能で動いているように見えるが

双極的な価値判断を有しておりその中で意思を決定している。

このような双極的な価値は

非合理的な意思決定をしてしまうことに繋がる。

今、やったほうが良いと感じていることと

今、やりたいことが一致しないのが人間かなと思う。

 

そしてこの双極的な価値判断を利用して

欲求のベクトルを自殺することに向けることで

強制的な自殺を引き起こすというメカニズムとなっている。

 

この無差別な虐殺は大災禍が起こってから

人類が密かに作り出した最終予防線的なシステムを

発動させることが目的となっている。

 

そのシステムは『ハーモニー・プログラム』と呼ばれ

双極的な価値判断を完璧である指数的な価値判断に

強制的にさせてしまう。

それは会議でいうと全ての意見が一致するため

会議の必要が無くなる。

つまり意識が消滅してしまうことになる。

グラフにするとこんな感じ。

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結局、『ハーモニー・プログラム』は発動されて

世界はユートピア?になったわけだけども

全ての人が意識がなく、

ただひたすらに合理的な行動をとり続ける世界。

想像すると、すごく不気味だと思いませんか。

そんな世界に生きる意味なんてあるのかすら疑問になります。

でも平和であることは間違いなく、

それがかえってすごく気味が悪いと思いました。

人生が何も変わったことが無く、

普通に過ぎていくだけだとしたらすごく退屈に感じそうです。

もちろんそんな感情はユートピアにはないと思いますが。

嫌なことはもちろん進んで経験したくはないです。

でも芸能人なんかはよく波乱万丈の人生送ってるのをTVで観ますが

すごく生き生きとしていてむしろ楽しそうですよね。

 

本作ではミァハ達少女が優しさに窒息していますが

現代社会にも似たようなことがあるよなぁと感じました。

架空の話ですがまるっきり他人事ではないなと思います。

昨今の医療技術もすごく進歩してますし

最近なんかは通信業界で5Gが実装されるみたいですね。

5Gが実装されれば革命が起きると言われているようです。

スーパーテクノロジーが現実になる社会が

もうすぐそこまで来ているって思うと楽しみです。

スーパーテクノロジーによる背反とかはあるんでしょうか。

4Gが普及して今や当たり前となったSNS時代ですが

5Gが普及したらまた新しい何かが生まれるんでしょうか。

 

すみません、話が脱線しました。

僕が言いたかったのは進んだ医療技術や

医療体制、健康食品により、健康に対する意識っていうのが

徐々に高まっていると思います。

ひと昔前ならサプリとかもそんなに無かったと思うんですが

今だとコンビニですらサプリ、健康食品が陳列され

飲料水にしてもトクホの商品がたくさんあり

皆、健康に気を使いだしている社会になっていますよね。

優しさの空気みたいなものだってSNSの普及、

YouTuberによる情報発信等により

芸能界で少しでも倫理観に欠けるような発言、

行動があろうものなら

総パッシングされる時代です。

パッシングを恐れ当たり障りのないことしか

言えなくなってしまえばそれはハーモニーにおける

世界観と類似してしまうのではないだろうかと思いました。

 

最後に・・・

ハーモニーの極端な世界観を見ることで

人としての生き方について考えさせられるなぁと

思いました。それにしても発想がすごい。

虐殺器官』は絶賛、読んでます。

SF読んでて思ったことがあるんですが

色々な知識を知れるという面白さもあるなと

糖尿病って氷河期時代に獲得した遺伝子の進化の過程なんだって笑

 

余談ですが。

令和始まりましたね。

平成最後の日、皆さんは何してました?

僕は読書です( ´∀` )

 

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ちょっと今から仕事やめてくる/北川恵海 人生に前向きになれる小説

『ちょっと今から仕事やめてくる』は

第21回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞〉受賞作

発行部数が60万部突破し

2017年5月27日に映画化もされている。

 

あらすじ

ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、

無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と

名乗る男に助けられた。

同級生を自称する彼に心を開き、

何かと助けてもらう隆だが、

本物の同級生は海外滞在中ということが分かる。

なぜ赤の他人にここまでするのかと気になった隆は

彼の名前で個人情報をネット検索するが

出てきたのは、3年前に激務で自殺した男のニュースだった。

スカッとできて最後は泣ける、

会社が辛いと感じるサラリーマンに是非読んでもらい物語。

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感想。ネタバレあり

最近というか近年流行りの長文タイトル。

その中でも特に目を引くような作品で

僕は映画を一昨年観てすごく感動したのを覚えています。

 一見するとネガティブな作品かと思ったんですが

とても前向きで力強い作品ですごく勇気が貰えます。

僕自身、現在はサラリーマンやらせてもらってるので

隆の気持ちがわかる気がして共感しやすかったです。

でも映画を見た時も思ったんですが

隆の会社はブラックすぎてびびります。

今どきだとボイスレコーダーとかで

訴えたら勝てるレベルですね笑

映画も良かったですが、

小説も一文一文が短くて、読みやすい作品でした。

 

自分の人生は何のためにあるのか?

隆が自身の情けなさに絶望し、

フェンスから飛び降り自殺しようとした時に

ヤマモトが隆に人生はなんのためにあると思うか問います。

隆は会社のためとか自分のためとか答えますが

ヤマモトは半分は自分のため、

半分は自分を大切に思ってくれているひとのためと言います。

絶望してどん底にいる時は

何もかもが見えなくなって

自分自身すら見えないような状態だと思うんですが

そんな時は、今までの人生で

自分を大切に思ってくれている人を

つまり家族とか思い出して

家族がどんな思いで自身を育ててくれたかとか考えると

自殺なんて到底できませんよね。

虐待されてたとかだと話は別ですが

でも一人でもそういった大切な人が

いればそれだけで生きる意味があるのではないでしょうか。

僕だって大切な人がいなくなるのは嫌ですからね。

 

世界は変えることができない

隆がヤマモトとの出会いにより心境に変化が起こり

強い決意をもって会社に退職届を出しに行く時に

『僕には世界を変えることはできません!』と

声高々に言い放つんですがかっこいいです。

映画でも見どころのシーンですね。

世界どころか、会社、部署、人の気持ちすらも変えれない

でもただ一つ

自分の人生は変えることができる

それがもしかすると大切な誰かの人生を変えることに

繋がるのかもしれないと言います。

自分の人生は後悔のないように生きたいなと

人生っていうのは限りなく自由なんだってことを

感じさせられました。

どことなく実存主義っぽいですね。

 

会社を爽やかに辞めて

ルンルン気分になった隆は

元の会社よりも自分に合った会社を

見つけることができ

それが心理カウンセラーで

兄弟をなくしたヤマモトの心を救うという

とても心温まるラストで最高の小説でした。

 

最後に・・・

世のサラリーマンに

特に、若い新入社員とか就活中の人とかに

読んでもらい作品でした。

人生における仕事の時間って

定年まで働くとしてだいたい40年なので

やっぱり会社選びって重要だなと思います。

世の中の右も左も分からない時に

会社選ぼうったて難しいですし

やっぱり若い内から色々経験して失敗して

その中から自分の中で答えって

見つかるんじゃないかなって思いました。

素晴らしい隆ママの言葉を贈ります。

―大丈夫よ。人生なんてね、生きてさえいれば、案外なんとでもなるもんよ。

本書p179

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